お墓参り

お墓参り|お供えに適した花21種を1種ごと用途別で解説!

アシスタントちえ
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お墓参りでお供えする花って、どんなものがあるのでしょうか?
筆者・やま
筆者・やま
たくさんありますが、すべて紹介してもお花選びに迷ってしまいますし、逆に少なすぎてもバラエティーに乏しいので、特におすすめの21種類に絞ってご紹介します。

お墓参りでお供えする花といえば、菊などの定番があります。しかし、いつも定番の花ばかりお供えするのではマンネリ化してしまい、故人やご先祖様への気持ちが足りていないように感じてしまうかもしれません。

そこで、お墓の取材を続けている筆者がお墓参りでお供えするのに適した花の代表的な種類を調べたところ、定番の花も含めて全部で21種類ありました。

本記事では、その21種類の花について、お墓参りのお供えとして選ばれる理由も含めて詳しく解説いたします。「今度のお墓参りにどんな花を選ぼうか」と検討されている方のお役に立てると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

お墓参りでお供えする花、21種類のまとめ

まずは、筆者が今回調査した「お墓参りでお供えする花」の21種類を一覧としてまとめました。

1. 菊 8. ユリ 15. ミソハギ
2. スプレーマム 9. カーネーション 16. グラジオラス
3. ポットマム 10. ムーンダスト 17. アイリス
4. キンセンカ 11. スターチス 18. ハス
5. ガーベラ 12. ヒペリカム 19. ホオズキ
6. リンドウ 13. 金魚草(キンギョソウ) 20. ケイトウ
7. トルコキキョウ 14. アルストロメリア 21. かすみ草

お墓参りでお供えする花 ①菊

科名 キク科
色の種類 白・黄色・赤・ピンクなど
開花時期 9~11月(花屋さんでは通年あります)

菊は仏壇に備える仏花やお墓にお供えする墓花の代表格として最も選ばれている、お墓参りでお供えする花の定番中の定番と言える花です。
その背景としては、
・平安時代から格調高い花として扱われ(天皇家の御紋章にもなっています)、冠婚葬祭などのシーンでよく使われてきた
・白菊の花言葉が「御冥福をお祈りします」である
・邪気を払う力があるとされる
・花の日持ちが良く、枯れた際にも散らかりにくく、隣のお墓などに迷惑をかけない
といったことが挙げられます。

お墓参りでお供えする花 ②スプレーマム

科名 キク科
色の種類 白・黄色・オレンジ・ピンク・緑
開花時期 通年

「マム」とは「西洋菊」を表す言葉で、スプレーマムとは一輪咲きではなく、1本の枝にたくさんの花がついたスプレー咲きの西洋菊のことです。花の形が豊富にあり、ボリューム感もあること、また花言葉が「清らかな愛」ということからも、お墓参りにお供えする花としてもよく選ばれています。

お墓参りでお供えする花 ③ポットマム

科名 キク科
色の種類 白・黄色・オレンジ・赤・ピンク・紫・緑・茶色など
開花時期 9~11月

ポットマムは鉢植え用のコンパクトな西洋菊であり、こちらは自然開花時期が秋のため、秋彼岸のお墓参りのお供えとしてよく選ばれます。

お墓参りでお供えする花 ④キンセンカ

科名 キク科
色の種類 黄色・オレンジなど
開花時期 10~5月

キンセンカも菊と同じく花の日持ちが良いこと、また花言葉が「別れの悲しみ」「寂しさ」ということから、やはりお墓参りにお供えする花としてふさわしいと選ばれています。

お墓参りでお供えする花 ⑤ガーベラ

科名 キク科
色の種類 白・黄色・オレンジ・赤・ピンク・紫・緑など
開花時期 4月~6月、10月~11月 (花屋さんでは通年あります)

ガーベラは花の美しさと色の種類の豊富さ、花言葉が「優しさ」といったところで選ばれていますが、キク科の中では傷みの早い花であるため、お墓参り後に持ち帰る前提であればよいでしょう。

お墓参りでお供えする花 ⑥リンドウ

科名 リンドウ科
色の種類 青・紫・水色・白・ピンクなど
開花時期 8月~11月 

リンドウは夏場でも花の日持ちが良いことからお墓参りのお供えとして選ばれることの多い花です。

お墓参りでお供えする花 ⑦トルコキキョウ

科名 リンドウ科
色の種類 白・青・紫・ピンク・黄色・緑など(複色もあり)
開花時期 5月~9月 

トルコキキョウは、花びらが美しくてお墓を明るく彩ってくれること、花の日持ちが良いこと、花言葉が「永遠の愛・思いやり」といったことなどからお墓参りのお供えに選ばれる花としても知られています。

お墓参りでお供えする花 ⑧ユリ

科名 ユリ科
色の種類 白・紫・ピンク・黄色・赤・緑・茶色など
開花時期 5月~8月 

ユリは欧米でも葬儀の際の花として用いられ、華やかさと厳かな雰囲気を併せ持つ花であることや、花言葉が「純粋」「無垢」「威厳」といったことも相まって、菊と同様にお墓参りのお供えに選ばれる定番の花といえます。

アシスタントちえ
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でも、ユリって「香りが強い」「花粉が落ちやすい」ということでお墓参りのお供えには不向きと言われることもありますよね?
筆者・やま
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「気品があり、故人やご先祖様へのご挨拶に見合う花」という見方もあることや、花屋さんで販売しているユリはすでに花粉を取ってあることが多いため、注意を払って扱えば、ユリもお墓参りにお供えする花と言えます。

お墓参りでお供えする花 ⑨カーネーション

科名 ナデシコ科
色の種類 白・赤・紫・ピンク・黄色・オレンジ・青など
開花時期 4月~6月 

母の日に送る花として有名なカーネーションですが、お墓参りにお供えする花としてもよく選ばれています。故人に贈る花としては白いカーネーションが定番ですが、お母様のお墓参りであれば赤いカーネーション、お父様のお墓参りであれば黄色のカーネーションでもよいでしょう。
ただし、YouTube「寺ヨメ占い師ちゃんねる」を運営する、花屋歴20年でお寺に嫁いだ占い師・あおすみあんじゅさんによると、スプレー型のカーネーションは花の節がすぐに折れていくのでおすすめしないとのことです。

お墓参りでお供えする花 ⑩ムーンダスト

科名 ナデシコ科
色の種類
開花時期 5月~6月 

ムーンダストはバイオテクノロジーによって生み出された青いカーネーションです。その上品な色合いと、花の日持ちの良さ、「永遠の幸福」という花言葉から、お墓参りのお供えの花として選ばれることが増えてきました。

お墓参りでお供えする花 ⑪かすみ草

科名 ナデシコ科
色の種類 白・ピンク・水色・紫
開花時期 5月~8月 

小花をたくさん咲かせているところが霧のように見えることから「かすみ草」と名付けられたこの花は、その美しい印象と花の日持ちの良さ、また花言葉が「清らかな心」であることなどからお墓参りのお供えの花としても選ばれています。

お墓参りでお供えする花 ⑫スターチス

科名 イソマツ科
色の種類 白、黄色、ピンク、紫など
開花時期 5月~7月 

スターチスは、多種多様の色があること、花言葉が「永遠に変わらない愛」「永久不変」であること、花の日持ちが良く、気温が多少高くても花が枯れにくいことから、お墓参りにお供えする花として選ばれます。特に、開花時期の初夏の頃によく用いられます。

お墓参りでお供えする花 ⑬ヒペリカム

科名 オトギリソウ科
色の種類 花は黄色、実は赤、ピンク、緑、黄色など
開花時期 9月~10月、4月~5月 

ヒペリカムは暑さに強いことや、さまざまな色の実があり見る人の目を楽しませてくれることなどから、こちらもお墓参りにお供えする花として選ばれています。

お墓参りでお供えする花 ⑭金魚草(キンギョソウ)

科名 オオバコ科
色の種類 白・赤・黄色・オレンジ・ピンクなど
開花時期 4月~6月(品種により通年のものもある)

金魚草(キンギョソウ)は地中海沿岸(南ヨーロッパ、北アフリカ)原産の宿根草(しゅくこんそう。多年草の一種で毎年花を咲かせる草花や球根植物のこと)です。金魚のような色鮮やかな花をつけることからこの名がついたと言われ、開花時期である初夏の頃を中心に、お墓参りにお供えする花としてよく用いられます。

お墓参りでお供えする花 ⑮アルストロメリア

科名 ユリズイセン科
色の種類 白・赤・黄色・オレンジ・ピンク・紫など
開花時期 通年(タイプにより開花時期が異なる)

アルストロメリアは南米のチリやペルー・ブラジル・アルゼンチンなどが原産の色鮮やかな花で、そのエキゾチックな花姿や花の日持ちの良さ、品種も色合いも豊富でバラエティーに富んでいます。
お墓参りにお供えする花として選ばれるユリやカーネーション、トルコキキョウと相性がよいことから、これらを組み合わせた仏花・墓花のコーディネートがよく用いられています。

お墓参りでお供えする花 ⑯ミソハギ

科名 ミソハギ科
色の種類 ピンク・紫
開花時期 7月~9月

ミソハギは、お盆の時期に咲く花であることや、別名として「盆花・精霊花」というような名前がついていることなどからも、古くからお盆のお供え花の定番となっていました。ミソハギの花言葉である「愛の悲しみ」「慈悲」なども、お盆の時期にお供えされることからつけられたという説もあるほどです。

お墓参りでお供えする花 ⑰グラジオラス

科名 アヤメ科
色の種類 白・ピンク・赤・黄色・緑・オレンジ・紫・複色咲きなど
開花時期 3月~11月

結婚記念日のお祝いとしても用いられるグラジオラスですが、色が豊富なこと・ほぼ一年を通して手に入りやすいことから、お墓参りにお供えする花としても選ばれています。

お墓参りでお供えする花 ⑱アイリス

科名 アヤメ科
色の種類 赤・ピンク・青・紫・白・黄・複色
開花時期 4月~7月(品種により異なる)

アイリスはショウブやアヤメに似た花で、その凜とした花姿から、お墓参りにお供えする花としても選ばれています。

お墓参りでお供えする花 ⑲ハス

科名 ハス科
色の種類 白・ピンク・黄色
開花時期 6月~8月

ハスは、仏教の中で最上の花とされており、お盆のお墓参りにお供えする花の定番としてよく用いられています。

お墓参りでお供えする花 ⑳ホオズキ

科名 ナス科
色の種類 白・クリーム色(果実は赤) 
開花時期 6月~8月

ホオズキはお盆の時期にお墓参りにお供えする花として用いられます。その由来は、ホオズキが漢字では「鬼灯」となり、ご先祖様をお迎えする迎え火の代用、また、仏様が帰ってくる際に照らす盆提灯に見立てたことなどがあります。

お墓参りでお供えする花 ㉑ケイトウ

科名 ヒユ科
色の種類 赤、黄、オレンジ、ピンク、紫、緑など
開花時期 7月~11月

花姿が鶏のとさかに似ていることから鶏頭(ケイトウ)と名付けられたこの花は、開花時期に合わせてお盆や秋彼岸でのお墓参りのお供えに用いられています。中でも紫のケイトウはお墓との調和が取れて最も選ばれることが多いようです。

お墓参りでお供えする花のタブーとは?

ここまで、お墓参りにお供えする花としてよく選ばれている21種類の花をご紹介しました。
この21種類以外にも、お墓参りにお供えする花は基本的にどんな種類でも問題はありませんが、一方で「これはお墓参りにお供えする花としては避けるべき」というタブーも存在します。そのタブーは主に5つあります。以下にご紹介します。

トゲのある花

バラ、アザミ、イラクサなどのトゲのある花は、直接触れたり風に飛ばされるなどで怪我をしてしまう可能性があります。また、トゲのある植物自体がネガティブなエネルギーや不運を呼び込むとも言われており、その意味でも避けたほうがよいとされています。

死を連想させる花

たとえばツバキは、花が落ちる際に花ごとゴトッと落ちる様子が「首が落ちる」ように見えることで死を連想させて縁起がよくないと言われています。また、ドライフラワーも生花ではないことで死を連想させるため、お墓参りのお供えには避けたほうがよいとされています。

毒のある花

彼岸花、チューリップ、スズラン、スイセンといった花には毒があるため「故人やご先祖様に毒を供える」ことにならないように、お墓参りのお供えには避けるべきと言われています。また、他の参拝者に毒による危険を生じさせてしまうことからも、避けるに越したことはないでしょう。

香りの強い花

クチナシ、キンモクセイなどの香りの強い花は、虫を寄せ付けてしまったり、花の強すぎる香りが苦手な人に迷惑となることから、お墓参りのお供えには避けるべきとされています。
ユリも香りが強い花として「お墓参りのお供えには避けるべき」とされることも多いようですが、すでにお伝えしたとおり「気品があり、故人やご先祖様へのご挨拶に見合う花」という見方もあることから、筆者はユリをお墓参りにお供えする花としてタブー視しておりません。

花粉が落ちやすい花

ポピー、ひまわりなど、花粉が落ちやすい花は、落ちた花粉で墓石を汚してしまったり、衣服にシミを生じさせてしまったりするため、お墓参りのお供えには避けるべきとされています。
ここでもユリは花粉が落ちやすい花としてタブー視されることもあるようですが、花屋さんで販売しているユリはすでに花粉を取ってあることが多いため、筆者はタブー視しておりません。

つるのある花

クレマチスなどのつるのある花は、つるが自分たちの墓石だけでなく他の墓石にも巻き付く可能性があることからお墓参りのお供えには避けるべきとされています。

白以外の花(四十九日まで)

四十九日までは「故人が極楽浄土に行けるかの裁きを受ける期間」とされ、故人は慎ましくしていることから白い花を供えるのがよいとされています。そのため、白以外の花をお供えするのはタブー視されています。

仏花と墓花の違いとは?

厳密には、お供えする対象に違いがあります。「仏花」は仏壇にお供えする花、「墓花」は字の通りお墓にお供えする花を指し、花屋さんではそれぞれの花立ての深さを考えて長さを整えています。
ただし、「仏花」は「故人やご先祖様にお供えする花」という意味でも使われることが多いため、広い意味では「墓花」は「仏花」の一部という見方もできます。

「お墓の花は一対でないとダメ」は誤解

「お墓の花は一対でないとダメ」という決まりはなく、その代わりに花の種類が違っても「左右対称」であればよいとされています。花立ても左右にありますし、左右対称でないと見栄えが美しくないからです。

お墓参りにお供えする花はどこで買うのでもよいか?

仏花・墓花は花屋さんや墓地内の販売所以外で買うのは失礼と言われることがありますが、スーパーやホームセンターでも問題ありません。ただ、花屋さんは専門店だけに、花の季節や予算に合わせていろいろ相談でき、アドバイスももらえますので、どんな花がよいか迷ってしまいそうであれば花屋さんで買うのが最適です。

まとめ

アシスタントちえ
アシスタントちえ
ここまで知っておけば、もうお墓参りにお供えする花で迷うことはないですね!
筆者・やま
筆者・やま
今回ご紹介したような、花の種類別にわかりやすくまとまっている一覧が見つけられなかったので、自分が「こんな一覧がほしい」というものを今回作ってみました。

お墓参りでお供えする花についてはさまざまなサイト等で紹介されています。筆者もお墓の取材を続ける中でそれらのサイトを数多く拝見しておりますが、サイトによって花の種類に違いがあり、「すべての種類がわかりやすくコンパクトにまとまった紹介記事があれば」と思い、今回の記事を作成しようと思いました。
本記事が、「お墓参りでお供えする花を何にしよう」「どんな花をお供えしたらよいかわからない」というお悩みの解決につながれば幸いです。

ABOUT ME
著者 ライターやま
自宅近隣に大きな墓苑があることと自らもお墓参りを行うことからお墓の取材を続け、お墓とお墓参りにまつわる記事を執筆する専門ライター。専門家の見解も取り入れながら独自の視点で解説することをモットーとしている。